ウサギのMimi〜アラフォー風俗嬢の恋日記〜

アラフォー風俗嬢Mimiの恋愛あり笑いありの日常を綴ります。

第17話「お金と仕事・前編」 」

濡れたベッドの上に、タオルをひいて、その上で、島岡の腕枕の中、美々は横たわっていた。

 

「美々ちゃんは、どうしてこの仕事をやろうと思ったの?」

 

またこの質問かあ……と内心思いながら、美々は答えた。

 

「借金を早く返したくて…」

 

「借金?いくら?」

 

「300万円くらい……」

 

「なかなかの金額だね。旦那さん、いるんでしょ?」

 

美々はふいをつかれて、誤魔化せず

「は……はい」

と答えた。

 

「だったら旦那さんに、全額返して貰えばいいじゃない?」

 

「えっ」

 

「僕ならそうする。」

 

美々は、予想外の答えが島岡から返ってきて、驚いた。

 

「借金の返済を手伝ってほしい、と夫には話したんです。何度も。

『自分のことで散財した分は、自分で返しなさい』と言われました。

わたしが以前生活費が足りなくて、借りた分を返済するのが精一杯だと……」

 

「旦那さんはそういう考えなんだ。驚いたな。

妻が使った分を支払いするのが、僕は当たり前だから。

僕の妻は働いていないし、妻に給料は全て預ける。

僕が毎月使う分だけ、もらってるんだ。」

 

美々は目を丸くした。

自分も、自分の周りにも、そんな価値観の男性は存在しなかった。

潤一ですら、美々にお金は渡せないと言った。

そんな夢のような生活を送っている女性は、やはり存在するんだ……

 

「自分でした責任は自分でとらなきゃいけない」

いつからか、そう勘違いしてきた。

 

元々お金を使うことが好きな美々は、手元になくても、カード払いで、散財してしまう。

 

遼は真面目に仕事し、家事も育児もするが、結婚10年経過した今も、「そこそこ」の収入をキープしていることが、美々…まやには不満だった。

 

「もっとたくさんお金を持って返ってきて、わたしに好きなようにお金を遣わせてほしい」

 

まやは、遼から大切にされ、自由を与えられてるのに関わらず、そんな不満をずっと抱え、度々遼に「もっと稼いできてよ!」とぶつけてきた。

 

「僕もね…美々ちゃんの旦那さんがいくつかは知らないけど、若い時は正社員ですらなくて、収入も低かった。

だけど、この会社を、業界を変えてやる、って野望だけはあって。

気がついたら今の職務について、収入も何倍にもなっていたんだ。

だから、旦那さんの『今』だけで、その器を判断しない方がいい。

焦らずに。待ってあげてはどうかな?」

 

「はい……」

美々は自分の心を見透かされたようで、恥ずかしくなった。

 

「お風呂……入れてきますね」

美々はベッドからお風呂場に向かった。

 

(わたし……こんなことしてて、いいのかな?)

 

バスタブの蛇口を捻って、お湯の温度を調節しながら、美々は考えていた。